今日の投稿はTFCC損傷についてです。
TFCC損傷とは、手首の小指側にある三角線維軟骨複合体の損傷の
事をいいます。
手首の小指側を酷使することにより、尺骨と月状骨付近での三角線維軟骨が挟まり
大きなストレスをかかることで痛みが発症します。
競技では野球、テニス、クライミング、バトミントンなどが挙げられます。
局所を治療することが一般的ですが、ほとんど完治には至らないケースも
多く最終的には競技に大きな影響を与えるケースも少なくありません。
では、どのようにして完治に至るか。当クラブでは多くのTFCC損傷のリハビリを
行ってきました。
局所はテーピング程度であとは身体の根本的な使い方を改善します。
TFCC損傷になる大きな原因として前腕、上腕の橈骨神経支配の筋肉に
依存するフォームや力配分によるものが多いのです。
図1橈骨神経
図1は前腕、上腕の橈骨神経の支配図です。
前腕の親指側から上腕二頭筋付近を支配しています。
この筋支配が強いと競技では、背部の筋を活性することは出来ません。
どちらかというと前腕や上腕二頭筋に頼る動作になりがちです。ですので例えばバトミントンでは
親指側の力が強く前腕で手首を返す動作や回旋させる動作が多くなります。
他にはボルダリングや体操などの自重を持ち上げる競技でも親指側の筋肉を強く刺激していると
小指側がまがりTFCC損傷が起きやすくなります。
では、どのようにして改善していくのか。それは尺骨神経支配の筋を活性することです。
尺骨神経側の筋には、神経支配はされていませんが、何かを握る際に背筋、特に
広背筋や前鋸筋などの背中側の筋に通じる部分や尺骨神経支配と近い部分にあります。
また、前鋸筋や広背筋を使うには、親指側の筋を強く刺激すると背中の筋は活性しにくくなります。
例えば
①動物の木登り
動物が木を登るときは、親指側の力をほとんど使っていません。
写真①でわかるように右手の親指は木にかかる程度で残り4本の指で木を握っているのです。
これは背筋群や肩甲骨を安定させるには、小指側を意識することで木登りなどの
自重で支えることができるのです。動物は手首を痛めないような身体の使い方を知っていると
言えます。
②③懸垂動作
懸垂のトレーニングも同じことが言えます、自分の体重を持ち上げるには、小指がわの神経支配を
強く感じることで背筋群や前鋸筋が活性します、これが親指側で行うとバーから身体が離れ
身体を前腕と上腕二頭筋で持ち上げることになります。懸垂が出来ない、鉄棒の回転などが出来ない人は
小指側の力ではなく親指側を強く刺激している為と言えます。
④尺骨神経を使うフォーム
写真④ではテニスでのサーブの時の身体の使い方です。手首に大きなストレスがかからず
打ち込んでいるのがわかります。これは、肩、背筋などがしっかりと動き手首への負担を
なくすとてもいいフォームと言えます。このような身体の使い方を覚えることでTFCC損傷は
改善出来ます。
様々な競技の選手がこられTFCC損傷を克服されておられています。
身体の使い方を覚えることでTFCC損傷は完治することが出来ます。
TFCC損傷でお悩みの方は気軽にお問い合わせください。
asuka-shinkyu@lapis.plala.or.jp
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トレーナー兼コーチ 野島