奈良市のアスリート専門ジムのasukaトレーニングクラブ。
当クラブは現場でのトレーナー経験をもとに様々な怪我の予防の観点を動作を解析して
トレーニングを行なう施設です。
動作が変わらないと怪我の再発を予防することは難しく、また怪我からの競技復帰しても
パフォーマンスアップを行うことが現実的に難しくなります。
動作を改善するには自分の動作を分析する必要があります。
今日は前十字靭帯損傷からの復帰及び予防について。
私も今まで多くの選手の前十字靭帯損傷からの競技復帰に関わってきております。
その中で、様々なことがわかっていきます。
まず、前十字靭帯を損傷する過程で
多くの選手が
①股関節の動きではなく膝中心での動きをおこなっていること。
②内旋動作が出来ない為にそれを膝の動きで代償する。
③方向転換の時に、進行方向の脚の使い方が正しい動作でない。
④ステップを脚だけで行ない、上半身を使えていない。
このようなことが多くみられます。
特に、小学生から中学生で膝中心でステップや方向転換できたのでそのまま
高校生でも同じように行う。
これは、股関節の動きを正しい身体の動作手順が違っている為になります。
しかし、ほとんどの小学生、中学生、高校生ではこのことを理解している選手がいません。
その為、ステップ、方向転換、などの多い競技やジャンプを行う競技では
前十字靭帯損傷の頻度が高くなる傾向にあります。
では、どのように予防、再発を防ぎ、また怪我をしない身体をつくるのか。
まず方向転換やステップ動作を分解していきましょう。
①②内旋動作での方向転換 ③サッカーでのドリブルでの内旋動作
④陸上での内旋動作
⑤ラグビーでのステップでの内旋動作
写真①②は方向転換
③はサッカーでのドリブル、④は陸上でのスタート
⑤はラグビーでのステップ動作。
まず注目は全て股関節が内旋しているということです。これには
大きな理由があります。
これは方向を転換する、走るときに身体が外側から内側に倒れていく形になります。
しかし、倒れてしまうと地面を捉えることが出来ません、その為、股関節の内旋という動作で
股関節を止める動作を行ないます。これで地面を押す為の準備ができ、
そこから地面を押すことで地面に力を伝えることができます。
しかし、この場合、内旋動作が不十分であると止まる動作が無くなるため、膝や足首がとても不安定な
状態で動き続けます。これが何回も繰り返すことで膝周辺の筋力が低下した時などに
膝に大きなストレスがかかります。
また写真①②③⑤では股関節が動く前に上半身の動きが導入されます。
これは股関節の内旋と胸椎の回旋は連動しているのです。
胸椎を速く回旋することで、股関節への内旋を促すことになります。
⑥柔道での内旋と胸椎動作
写真⑥は柔道ですが、柔道のように投げ技を行うときに、胸椎の回旋と股関節の内旋が
組み合わさることで身体全身での軸が回旋して相手を力ではなく、身体のさばきで投げることが出来ます。
これは全ての競技にほとんど通じるところになります。
逆に胸椎回旋、股関節内旋が出来ないと腕力だけで投げることになりとても非効率な動作になります。
これが競技スポーツでもすべてに通じます。
力で膝を周すことは危険性を伴います。
その為、上半身の動きが入り股関節を内旋させることが競技では必要になります。
この動作を覚えることで膝の怪我リスクを大幅に減少することになります。
股関節の内旋を行うことが正しく出来ると、身体の軸で回旋することが出来ます。
しかし、この内旋を行うには、出来るだけ普段から練習を行う必要があります。
内旋を行うことで方向転換の速度は各段とあがります。
方向転換する時は、進行方向と反対側の脚、股関節が動くことで進行方向に素早く体勢を動かし
ていくことができます。
写真①②は切り返し動作の動きです。
進行と反対の股関節を内旋することでスムーズに動くことが可能になります。
これが動作理論になります。これを進行方向の脚で動こうとすると反対の脚が
動かなくなり、それを無理に回旋すると膝の捻じれになります。
ステップも同様になります。
正しく内旋することで、ステップ後の移動がスムーズに行うには進行方向と反対の
脚を内旋することでステップ動作がスムーズに動くのです。
この動作の理論を正しく理解してリハビリトレーニング、予防トレーニングを行なうことで
前十字靭帯の予防につながります。
トレーナー兼コーチ野島