奈良市 ジュニアアスリートトレーニンジム/  フィギュアスケートでのトリプルアクセルを成功させる身体の使い方とは!!

奈良市ジュニアアスリート専門のトレーニングジムのasukaトレーニングクラブです。

今日は私が専門で行っているフィギュアスケートでのトリプルアクセルを成功させる身体の使い方に

ついてです。

 

3回転ジャンプ、トリプルアクセルは現代フィギュアスケートではかなりの選手がチャレンジして

成功を収めてきています。

最近では女子でも4回転の時代に入りつつあります。

このフィギュアスケートでのジャンプにでは3回転を中心に跳べる跳べないが分かれてきます。

これには様々な要因があります。

2回転は跳べるが3回転が跳べない、ダブルアクセルが跳べるがトリプルアクセルは跳べない、

確かに回転が1回転増えるということは、それだけ空中での滞空時間や回転速度をあげることになります。

 

確かに単純に高くジャンプすることを目的にトレーニングしていた時代もあったみたいです。

しかし、現代のトレーニングでは、高くジャンプすることがそれだけ、リスクもあるのです。

片足で着氷が求められることになります。

その為、片足へのダメージは自分の体重の3~5倍と言われています。これは高くなればなるほど

大きな負担増になります、

 

では、3回転ジャンプを正確に跳ぶには、どのような身体の使い方が必要になるか。

まず上半身と下半身に分けて説明します。

 

基本身体のバランスをとるのは上半身です。上半身でバランスをとりその影響が下半身にも

及ぼします。その為、上半身の軸の作り方が大切になります。

 

上半身の軸をつくるには、まず胸椎の可動性と強度をつくりましょう。

回転する時には、この胸椎が大きく回転します。しかし胸椎が硬い、強度がないと

遠心する力に負けて回転中に軸が崩れてしまいます。この軸の崩れは

着氷にも大きく影響します。

 

軸をつくるには胸椎の可動域と強度を高めるトレーニングが不可欠です。

特に胸椎12番、11番目は大きな可動性を伴う部分です、この部分の強度が弱いと実際には

回転に影響します。

回転しているときにいかに可動性のある棒のようになれるか。

 

次に背筋についてです。大きな広背筋などを強化する必要はあまりありません。

多裂筋と言われる筋を鍛えることで、脊椎全体を収縮させて軸をぶれないようにします。

しかし、実際には多裂筋は背部の深層筋ですので、呼吸をしっかりイメージして行う必要があります。

フィギュア選手の場合、あまり大きな筋をつけすぎると身体が重くなるのであくまでも

呼吸でイメージして軽い負荷をかけながら、徹底的に強化する必要があります。その為

猫背気味の方などは修正をしないと回転軸がなかなか作れないので2回転が限界になります。

 

この2回転と3回転の差はそのあたりにあります。回転速度をあげるには

軸のブレを最小限にすることが必要です。

2回転ではそれほど意識しなくてもジャンプの勢いで跳べることが少なくありません。

しかし、3回転となると、回転にかかる速度が高いだけに軸の安定は不可欠です。

 

軸をつくるには、どのようなトレーニングが必要になるか。

それは、身体の深部にある筋です。

腹部、背部の筋を鍛えます。特に、この両方を鍛えることで

背骨の椎体自体を鍛えます。

 

体幹を強くするとは、アウターというよりも

インナーマッスルをいかに強化するかです。特にフィギュアスケートでは

ジャンプ+回転+片足着氷といった3つの動作を行う必要があります。

 

このすべてで体幹部分への意識が必要です。

①片足で重量を支えるトレーニング

 

体幹で支えるには、しっかりと腹部と背部を意識することで写真①のような片足で支えるトレーニングを行ないます。

このトレーニングではあくまでも下半身への意識は2番目です。体幹でしっかりと重りを支える意識が大切です。

このようなトレーニングを行なうことで、強い軸をつくることになります。

 

軸が安定しているかどうかは、この後の回転トレーニングで更に顕著になります。

身体を回旋させるには、股関節の内旋動作と胸椎の回旋動作が同時に行われます。

 

この動作が出来ることで、回転する速度をあげることになります。

回転速度をあげるには、確かに筋力も必要ですが、回転を行う関節をもっと意識しましょう。

ほとんどの選手が腕を左右に振り、ジャンプして回転しています。

しかし、大きく腕を振ることは遠心力を促すことになり、回転には不利になります。

出来るだけ軸を回転する意識で腕を振るのが目的ではありません。

軸が回転するからこそ、腕にその影響が出るのです。

 

②でんでん太鼓の理論

でんでん太鼓は中心の軸が回ることで、太鼓を鳴らすひもが振られます。

このように中心軸が回転を速めることで自然に末端は勝手に動くのです。

逆はありません。その為、出来るだけ、軸を安定させることでこの末端を速く動かすことになります。

これはフィギュアスケートでも同じことです。

 

是非、軸を安定させるトレーニングを行なうことで、3回転、トリプルアクセルは

これから成功する選手は更に増えるでしょう。

当クラブでも3回転を跳べなかった選手がほとんど跳べるようになっています。

トリプルアクセルも同じです。身体の構造を理解して、跳ぶことで成功する確率は大きくあがります。

 

 

asuka-sports.com

トレーナー兼コーチ野島

 

この記事を書いた人

野島 竜一

あすか鍼灸整骨院/asukaトレーニングクラブ院長兼代表

1971年奈良生まれ、 トレーナー スポーツ外傷専門の治療家/体幹トレーニング専門のフィジカルトレーナー。アスリートから一般の方までに体幹トレーニングにより体が健康になる素晴らしさをブログで発信。

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