今日の投稿は競技力向上トレーニング、第3回目 長距離走編です。
長距離走とは800m以上の距離特に、中学生、高校生では
5000m、10000mクラスのことを言います。
マラソンも含みます。
長距離走を速くするには、走りこみだけを行う概念は今ではかなり崩れています。
確かに走ることを重要ですが、速く走る、タイムを競うのであれば
いかに速く走れる身体づくりを行うことにポイントを絞ることが現代スポーツでは
求められています。
長距離は基本、アスファルトやタータンを走ることになります、アスファルトで毎日
10km、20kmという距離を走ることは身体にかかる負担はとても大きくなります。
特に中学生、高校生では身体が出来上がらない時期から過度の距離を毎日走ることは
身体を酷使することになり、結果怪我につながり、長い時期を走ることは出来ません。
これは多くのアスリートの方を見てきた率直な意見です。
例え素質があってもただ、長い距離を毎日走ることは、怪我との闘いとなります。
では、どのようにしていくべきか。
まず、走れる身体をしっかりとつくることです。
特に中学生の間は身体づくりを中心とした走り込みをする必要があります。
走るとは、地面を長時間押すことになり、長時間同じ動作を繰り返すことになります。
それを可能にするには、身体の使い方がまずは正しい位置で行えるかが鍵になります。
いくら速く走っても正しいフォームで地面を押すことが出来ないと、なかなか現実的には
速く走れてもすぐに怪我に繋がる危険性があります。
長距離走と短距離走では、基本的な部分は同じです。
しかし、短距離の場合は100m、50mと短い距離ですので
一気にスタートから全力で走る必要があるためにパワーを発揮できる
身体づくりが必要です。
それに比べ長距離は一気にスピードをあげる必要がないのと、
長い距離でのペース配分が必要になるのでパワーを使うのを
小出しにしていく必要があります。
では、どのようなトレーニングが必要になるのか。
長距離走でよくみられるのが
股関節のスウェーです、要は横に移動して走っている走り方です。
この場合、地面に足裏が接地する際に地面に対して真下ではなく、斜め方向からの
踏み込む動作になるために地面に大きな力を伝えることが不十分になります。
①股関節がスウェーしている走り方
写真①で軸足が地面に対して斜め方向から踏む込んでいます、左足が左から右方向へ。
その為充分な踏む込みを出来ている走り方とは言えません。
②軸脚が安定している場合の走り方
写真②では、軸脚が安定している方の走り方です。
正面の一番先頭を走っている方の脚をみてください。地面につく左足ではなく
右の股関節を。全く同じラインに骨盤があります。
しかし、向かって右側の方は右脚が地面についた時に、左の股関節が落ちています。
これはしっかりと空中で自分の体勢を整えれないまま、走り結果骨盤が下がっているのですが、
本来はこの下がるのを抑えるのは軸脚側に問題があります。
軸足で地面を踏む時に地面に吸収されており、地面を自分の身体で垂直方向へ押せないことが
原因です。垂直方向に押せないと身体は歪んだまま、地面に足裏が接地することになります。
これでは股関節が開いた状態で地面を押し、足首や膝の怪我に繋がる可能性が高まります。
③軸足トレーニング風景
写真③では軸足で地面を押さえるトレーニングです。
腕と脚が完全に伸びた場合、一直線上にあります。
この状態でまずは動けることが重要です。この一直線状に身体をもっていくことで
軸脚で地面を正しくとらえることが出来ます。
④棒での軸脚トレーニング
軸足でのトレーニングを様々な形で行うことで浮いている脚のつま先を見てください。
まっすぐになっています、股関節もやや内旋をして理想的な走るフォームに近づけることが
出来ます。
長距離走ではこのような動きを行うことが重要です。
軸脚をいかに正しく地面を捉えることが出来るか。このような身体の使い方を
徹底して覚え、ある程度の距離を走る。しかし、中学生では毎日走るなら距離制限は
必要です。出来れば、土のグラウンドや芝生などのやわらかい所で走るトレーニングを
しましょう、身体にかかる負担は小さくなり、また地面を押す力は強くなります。
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トレーナー兼コーチ 野島