テニスでは、ジュニア選手の膝の痛みは少なくありません。
特に問題があるのは、オスグッドです。
膝蓋骨の下部にある靭帯を痛める障害です。
基本的には普通に練習を行っているとなかなか改善することは
出来ません。
痛みは日々強くなり、また腱が骨を引っ張り膨隆してきます。
このような状態を改善するには、膝での動作を改善することが賢明です。
オスグッド自体はテニス以外の競技でも発症するのですが、
テニスのような急激に止まる動作は膝の負担は大きく、
最終的には競技を一時休むことになりかねません。
それを回避するにも動作を改善して膝自体に負担がかからないように
することが賢明です。
オスグッドは小学生高学年~中学生くらいまでにおこります。
この時期は骨も成長する為に成長痛と間違われる場合も少なくありません。
また、片足をかばうことで反対側の膝に負担がかかり
反対側の脚にもオスグッドを伴うことにもなります。
オスグッドを改善するには、
まずは膝中心の動きではなく、股関節を中心とした動作を行うことが必要になります。
しかし、テニスでは急激にとまることを考えると、事前の準備動作が更に重要になります。
事前の動作とは止まることが分かっているので、足の裏が地面に接地する前に設置することを
意識した動作が必要です。
足は基本3点支持と言われる母指球、小指球、踵が接地していきます。
この3点支持を行うことが重要になります。
3点支持の意識が空中で行うことが出来れば、現実に脚が地面につくときには
股関節で地面を支えることができます。
①地面への接地動作
写真①のように地面に脚がついたときには、膝が動かないことが基本です。
膝の位置が動くことで現実的には膝中心の動作になります。
しかし、写真のように膝中心ではなく股関節中心とした場合では
足が地面に着地した時も膝の位置は動きません。
足裏全体が地面についたときには膝は動かすことは本来は
行わないのが原則です。しかし、テニスで膝を痛めている選手は
足裏が地面についているにも関わらず膝が前方に移動しているのです。
これを回避することが重要です。
地面に足裏全体がついてしまったときは、膝は動かしません。
動きのブレーキ動作を膝ではなく股関節で行うことが重要になります。
股関節にはそれほど大きな力を止めることが出来るのです。
② 股関節をひく練習。
写真②では股関節をしっかりと使って地面を股関節で押す練習を
行います。股関節は地面をどれだけ押すことが出来るかが重要です。
股関節をしっかりと押すには、写真②のように股関節を充分に曲げる動作
いわゆるヒップヒンジ動作がどれだけ行えるかが重要です。
このヒップヒンジ動作を行えることが地面を止める感覚をつかむことになります。
地面を掴むには、このように股関節をどれだけ引くことが出来るかが重要です。
この状態をつくれることでテニスでのフォアハンドやバックハンドの時に自分の膝では
なく股関節で地面を押して止まれることになります。
オスグッドを治すには股関節で地面に対してブレーキ動作を行えることが重要になります。
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トレーナー兼コーチ 野島竜一