リハビリトレーニング、前十字靭帯損傷からの競技復帰について
膝の靭帯、半月板、損傷でもっとも競技復帰に影響をもたらすのが
前十字靭帯の損傷です。
特に、前十字靭帯は単独での怪我というより半月板や内側側副靭帯などの損傷も伴います。
これは靭帯損傷をいうより膝を強い衝撃でせん断されている為になります。
靭帯の損傷から競技復帰するには通常が1カ月もあれば問題ありませんが、
前十字靭帯だけはそういう訳にはいきません。
関節内の靭帯の為、保存的に修復するのが現実は難しい為です。
その為、手術をまずは前提に行うことになります。
手術するまでもそうですが、術後もかなりリハビリを行うことが競技への早期復帰になります。
では前十字靭帯のリハビリではどのようなことが必要になるのか。
まずこの靭帯が何故損傷するかを考えたいと思います。
私は長年現場でトレーナーを行い今迄4件現場で実際に断裂している所を
みてきました。また、その後断裂から1週間以内の怪我を20件以上みてきました。
その中で言えるのは、断裂するときは膝、つま先の方向が違う状態で方向転換を行う。
又は、股関節ではなく膝の動きで方向転換を行う。このような状態が過度に行われた時に
損傷にいたることが多いのです。
また、怪我をしてもすぐには立ち上がれませんが、1時間程度で普通に歩けます、
しかし、膝が完全に伸展しない状態が1週間以上続きます。
その後膝が崩れる現象などが続きます。
これが主な症状になります。
また先ほども記載しましたが、膝の関節にある靭帯の中で内側側副靭帯や半月板を
同時に損傷する傾向が強いといえます。
その為、前十字靭帯損傷からの復帰には膝周りの筋力というよりも
①ハムスト、殿筋の強化
②股関節の内旋、外旋と言われる回旋動作の可動性
③体幹部分の強化
この3つが挙げられます。
膝の前面の大腿四頭筋は初期のリハビリでは必要ですが、
その後はそれほど大きな効果がありません。
それは後程お伝えしていきたいと思います。
①方向転換の股関節の使い方
膝は基本的には大きな可動性を持ち合わせていません。
その為、サッカー、バスケットボール、ラグビー、バレーボール、ラクロスなどのような
方向転換などが頻繁に行う、又はターンオーバーという方向が入れかわって行う競技では
膝への負担がどうしても過度になります。
特に高校生あたり~大学生での怪我が多いと言えます。これは
競技のレベルというよりもスピード、コンタクトのレベルが強度になる為に
どうしても膝での負担が増加します。
しかし、これを回避するには股関節をどれだけ使えるか。
サッカーのある海外で活躍する堂安選手などは、殿筋でサッカーは行うというくらい
殿筋で競技を行っています。そのくらい競技では殿筋、股関節を使うことが重要視されます。
膝の前十字靭帯からの復帰には、まずは股関節の動く、この意識が重要です。
膝からの主導では動かない。
これが基本になります。
股関節は回旋、伸展、屈曲、様々な動きに対応できる関節です。
この関節を強化することは、必須となります。
①股関節の外旋動作トレーニング
写真①では股関節の外旋でのトレーニングです。足の内側は地面についていません。ほとんどが
小指がわです。膝中心でに動きの選手はどうしても小指側に体重が乗っていない為に
膝が内側に崩れる現象があります。その点を注意していく必要があります。
膝が内側に向かわないようにしっかりとトレーニングを行う必要があります。
この膝を内側に向かう癖はどうしても大腿四頭筋で運動動作を行う習慣が強いとなります。
膝の前面にある大腿四頭筋は確かに膝の屈伸動作には必要です。
しかし、方向転換は回旋系の運動になります。四頭筋にはその能力はほとんどなく
強化しても股関節の動きを改善することには直接的には繋がりません。
出来れば股関節の可動性、そして強化をはかることが大切です。
私はパワーポジションが全ても動作の基本と考えております。
②パワーポジション
パワーポジションはよく誤解を受けるのですが、
一番パワー発揮を行える位置です。その為あまり深くしゃがも過ぎると
それは大きなパワー発揮にはなりません。
ある程度膝に余裕があり、股関節、膝、足首が軽度に曲がる位置と位置付けます。
このポジションが正しくとるには体幹力が不可欠です。
体幹はお腹だけではありません。
足裏の感覚を重要です。足裏を正しく強化することでこのパワーポジションが正しく使えることに
なります。
膝の前十字靭帯損傷からの競技復帰には、パワーポジションを正しく行える体幹、
そして股関節の可動域、それに伴うハムスト、殿筋の強化が膝を守ることになります。
前十字靭帯損傷からの競技復帰でお悩みの親御様、選手の方
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トレーナー兼コーチ 野島
asuka-shinkyu@lapis.plala.or.jp