当クラブでは今まで多くのフィギュアスケートの選手の
トレーニングを担当させて頂いております。
その中で多いご意見として、ジャンプをして太ももの前側が痛い、
違和感がある。軽度の肉離れになっているケースが少なくありません。
フィギュアスケートでは、氷上を繰り返し練習でもジャンプやステップを行う為に、
脚にかかる負担は自分の体重の数倍になります。
特に片足での動作が多い為その負荷はかなり強度なものになります。
特にジャンプは跳ぶ瞬間より、着地の際にも大きな負荷がかかるために
どの部分でジャンプをするかは非常に重要です。
太ももの前側の痛み・違和感は肉離れになりかけかているか、既に筋線維が
微小断裂している可能性があります。
太ももの前側に痛みなどがあるのに、ジャンプを繰り返し行うことは
競技のパフォーマンスに大きな影響を及ぼします。
ジャンプは股関節で跳びましょう。そして上半身から動きだします。
フィギュアスケートだけに限らず、ジャンプ動作は上半身から動き出して動作を
導いていきます。
①上半身を使ったジャンプ
写真①では上半身の特に、胸椎伸展と肩の伸展、屈曲を使ったジャンプです。
ジャンプするときに自分の体重を出来るだけ地面に着地するときも、踏む際にも
軽い方が有利になります。
その軽さを導くのが上半身になります。
実際に体重計で自分で上半身で身体を上に引き上げようとすると
体重計の目盛りは軽くなります。
これは重心の位置が上方に上がった為、一瞬ですが体重が軽くなります。
ジャンプ動作でも同じことが言えます。
自分の重心位置を出来るだけ上にあげることで、ジャンプする際の体重負荷が軽くなり
又、股関節をしっかりと後ろに引きやすくなりジャンプするときのパワー発揮が大きくなります。
この上半身が使えることで下半身の特に股関節のヒンジと言われる蝶番動作が正確に行うことが出来ます。
② 蝶番動作風景
写真②では蝶番動作でのトレーニング風景です。この時も上半身を優位な状態にしておくことで、
股関節がより蝶番動作が正しく行うことが出来ます。
(※蝶番=ドアの開け閉めのような動作)
蝶番動作とは軸を中心とした回旋動作になります。
股関節の場合、骨盤と太ももの付け根部分を軸に回旋することでお尻を後ろに引くことが
出来ます。
この動作を普段から練習することはジャンプ力向上と怪我を予防することに大きく繋がると思われます。
特にジャンプを多く行う競技では股関節を使えないとその代償は、膝と腰に必ずかかります。
これが膝の靭帯損傷や腰の腰椎椎間板ヘルニアなどに結び付くと言われています。
股関節を使わないと何故、太もも痛めるのか。
これには、股関節を使わずにジャンプを行うとどこかでジャンプを行う動力源になるか?
それが股関節の上の腰と膝になります。腰が反ると腰椎がそることで
骨盤が過度に傾斜して(前傾、もしくは後傾、これは人にの体型により異なります。)
その傾斜が傾きすぎることで太ももの前面だけが伸ばされることになります。
本来は股関節で行う動作を腰椎とその下の骨盤上部で動かすことになります。
結果太ももの前面に負担が増大します。
③ 股関節を使えない動作
写真③では右側の白色のユニフォームの選手は骨盤の上部と腰で身体を曲げようとしています。
④ 股関節を使った動作
写真④では股関節を正しく使った動作パターンです。
スクワットでも太ももの前側に負荷がかかる傾向はこのような状態で行うことが
殿筋では太もも前側のみが太くなる原因です。これも股関節ではなく、腰椎と骨盤の上部が反ったり
曲がったりすることが原因です。
又、先ほども記載させて頂きましたが、腰と骨盤でのジャンプ動作は必ず
膝でその衝撃を受け止めることになります。
腰と膝は連動しているといっても過言ではありません。写真③のバスケットの選手も
右膝が前方に飛び出してきています。
この動作は競技では膝を痛める原因となります。
その為普段から股関節を使うトレーニングを頑張ることをお薦めします。
股関節を正しく使えることが結果フィギュアスケートでの太ももの肉離れを予防することにもなります。
フィギュアスケートで太ももの痛みなどでお悩みの方、なかなかジャンプ動作が
うまくいかないなどでお悩みの親御様、選手の方、気軽にお問い合わせください。
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asuka-shinkyu@lapis.plala.or.jp
トレーナー兼コーチ 野島